仏欲日記

仏像はロマンだ!

私の大好仏その3:阿弥陀如来像(永観堂・禅林寺/京都)

一か月あまりも間が空いてしまいました。最近、年度末ということもあって公私ともどもバタバタ気味で、早速、週に1度の目標を破ってしまいました。こんな自堕落な私ですが、どうかお許しください、お釈迦様。。

f:id:wyan:20150327105031j:plain:right私の好きな仏像、三つ目は、京都・永観堂の阿弥陀如来像、通称「見返り阿弥陀」です。この仏様、名前のとおり、見かえっています。なかなか珍しい形の像です。その由来を、お寺のホームページから引用すると…

永保2年(1082)、永観50歳のころである。2月15日払暁、永観は底冷えのするお堂で、ある時は正座し、ある時は阿弥陀像のまわりを念仏して行道していた。すると突然、須弥壇に安置してある阿弥陀像が壇を下りて永観を先導し行道をはじめられた。永観は驚き、呆然と立ちつくしたという。この時、阿弥陀は左肩越しに振り返り、「永観、おそし」と声をかけられた。永観はその尊く、慈悲深いお姿を後世に伝えたいと阿弥陀に願われ、阿弥陀如来像は今にその尊容を伝えると言われている。

大変ありがたいエピソードではありますが、実際の製作時期は、鎌倉時代が有力なようです。鎌倉時代が始まるのは、永観のエピソードから少なくとも110年はあとですから…願いが叶うまでに大変長い時間を要したということですね。

この仏様のすばらしさは、横を向くという珍しい姿ながら、その立ち姿が非常に美しいところです。上のエピソードの瞬間を生き生きと捉えていて、まるで今にも「永観、おそし」と声を発しそうなほど。何回か、拝観していますが、そのたびに惚れ惚れとしてしまいます。

ちなみに、永観堂は紅葉が美しいことで知られているため、そのシーズンは大混雑です。仏像を落ち着いてみたいなら、そのシーズンは外していくのが吉だと思います。紅葉も捨てがたいんですが、やはり仏像第一で(笑)


今回はこんなところで。まだまだ沢山、みなさんに紹介したい素敵な仏像があるんですが、とりあえず、自己紹介がわりの好きな仏像シリーズは、この辺で切り上げて、次回以降はちょっとずつ、仏像鑑賞の基礎知識と、私の見仏の記録を更新していけたらと思ってます。どうか気長にお待ちください。よろしくお願いします!